朝ラン門限六時半

朝ラン門限六時半@札幌

04.レース詳細〜サロマ湖100キロウルトラマラソン2012

レースの思い出を羅列します。来年のために書く感じ。忘れていることや覚えてないことが多そうですけど、できる限り書きとめておきたい。苦しかった体験が脳内で美化されちゃう前に書いておかないと。いや、ゴール直後から美化されてるんですが…。

ランナーズアップデートより

またやっちゃった

前半に突っ込み過ぎて後半撃沈。70km以降の落ち込みが顕著です。60kmくらいまでは事前に設定していたペースどおりに走ってますが、実は前半のペースが速すぎ。トイレに何度も行ってて設定どおりなので、突っ込み過ぎってことです。

キロ6分の難しさ

サロマでちょうどいいペースの練習が足りなかった。フレッシュな状態なのにキロ6分に抑えて走るのは難しいです。そういやアスクラのテンチョに「キロ6分で走る練習してね!」って言われてたっけw。

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以下、細かい動きを追いやすいので自分のガーミンのラップをもとに書きます。

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スタート前

ビッグワンをスタート20分前に済ませるも出し切ってない感じ。長丁場だしレース中でのトイレはあるだろうとあまり気にしてなかった。スタートロスは2分くらい。

00-05:31'53(6'22/km)

スタート時点で小雨。寒いのもあってアシックスのノースリーブなポンチョの上に100均の袖ありポンチョを重ねる。スタート後はペースの異なる人たちが団子状態なので、抜いたり抜かれたり。なるべくジグザグに走らないようにして自分のペースを保てるように走る。スタート地点をぐるっと一周、たくさんの声援を受け100kmのスタート感が否が応にも高揚。いいねいいね。ただ、スタート直後からコース脇で立ちションしてる人がいて唖然。青ゼッケンの人も、チームユニフォーム着てる人もしてた。これはこのあとも至る所でみましたが別途。

05-10:27'39(5'31/km)

雨が小ぶりになって、走って暑くなってきたので100均ポンチョを脱いで腹に巻く。給水所のゴミ箱までは持ってないとね。ちゃんとしたカッパだと途中で棄てられないから、少しの雨ならビニール系の使い棄てれるのがよさげ。途中で前方にチームメイトを見かけたので声をかけるために脚を使うw。彼に追いつく時点でペースやたら速いんだけど、自分では速いつもりはなくマイペースだと思い込んでいた。このあたりからお腹痛くなってきた。大の予感。

10-15:30'31(6'06/km)

ついにビッグウェーブがやってきた。雨でお腹が冷えたのか我慢の限界。トイレに駆け込むも3人待ち。お腹は下っておらず普通に腸が活発らしい。4分くらいのロス。トイレ待ちの間にジェル1本補給。ここをキロ6分なので実質5'30で走ってる。やっぱペース速い。折り返してくる選手とすれ違い、ワイナイナさんかっこいい。やじんさんの気迫溢れる走りに戦慄。気合入ってるなあ。

15-20:27'13(5'26/km)

三里番屋折り返しまでまたペースアップ。追い風だったのでこれはまあいい。折り返しですれ違う選手、チームメイトとのハイタッチがホントうれしかった。100km走るってのでいつもより増幅されてるような気がする。ここの道は走るのが楽しかった。原生林を抜けて海に出る感じが、雨上がりの雰囲気とマッチしてすごくいい気分に。

20-25:29'24(5'52/km)

今度はスモールワン。給水は5kmおきにこまめに取っているものの、ビッグとあわせてしてるのになんでだろ。我慢できずにトイレに並び、ここは3分くらいのロス。淡々と走る。

25-30:27'46(5'33/km)

細かいアップダウンはあるもののだいたいフラット。木に囲まれコーナーも多くて飽きない。給水所で初めての捕食、バナナをゲット。確かこのあたりでアシックスのポンチョをワイルドに破って脱ぎ捨てる(ゴミ箱に棄てました)。そしたら急に走りが軽くなった。知らず知らず暑いのを我慢してたのか。もっと早く脱げばよかった。

30-35:29'24(5'52/km)

またしてもビッグ、いやハーフ。ミドルじゃなくてビッグのハーフサイズ。なんのこっちゃ。30km地点のスペシャルドリンクでジェルを補給後、道路脇のトイレが空いてたので済ませる。ここは4分位のロス。トイレの多さにいい加減イライラしてくるが、りんごの被りものをした方の声援などを受けて持ち直す。応援のパワーってすごい。

35-40:28'58(5'47/km)

田園地帯を走る。この辺りは淡々というより黙々と。アップダウンも結構あった。チュンリーのコスプレした方に華麗に抜かれる。もっと前ではシャアにも抜かれました。私がワッカに入ってすぐ二人にすれ違ったので、11時間以内にゴールしてるんじゃないだろうか。ナース姿にワラーチ的なサンダルの人や、ビブラムな人も完走してたのでそういうのもありかなあって。来年サブ11、そしてサブ10できたら考えよう。

40-45:29'29(5'53/km)

フル地点を通過。補給地点では35km以外でもあんパンがあって、給水のたびに食す。肩や腕に塩を大量にふいてたので、見知らぬ何人もの方から塩分補給のお声がけをいただく。ウメボシがおいしいのでたくさん食べました。お陰で塩分補給はバッチリ。みんな優しいなあと感激。ここの補給だったっけな、ゴミ箱が道路脇にあるのに道路に食べかけのバナナをポイしてる人いた。あと5m走ればゴミ箱あるのに。近くにいた学生ボランティアさんも呆れ顔。こういう人にはなんか言った方がいいのかな。マナー悪い人を見るとその競技自体への意欲が激しく減少します。

45-50:29'26(5'53/km)

この区間は55km地点での休憩をひたすら考えてました。キロ6分で淡々と走っているものの、それほど余裕のないキロ6分。

50-55:32'54(6'34/km)

ここは結構なアップダウンがある。歩くほどの勾配はないけど下りで筋疲労の蓄積を感じた。レストステーションでは3分位のロスで済ませる。使わないサングラスやBuffを預け、粉もののサプリを補給しさっと出た。10分位休むべきだったのかなあ。雰囲気的には支笏湖畔なイメージ。

55-60:33'41(6'44/km)

レストステーションのトイレは建物内にあり遠かったので、ちょっと出てからスモールワン。レストステーションまでたどり着いて気が抜けたのか、がぜん身体が重くなる。アップダウンに削られた。ここの雰囲気は稲穂峠かな。そんなに上ってはいないんだけどイメージ的に。キロ6分半のペースで走れなかった。

60-65:36'09(7'13/km)

60kmまでを目標のキロ6分ペースで走れたので、ここからはペースを徐々に落とせばいい。80キロまでキロ7分、80キロからキロ8分で走れたらサブ11だなとか考え始める。悪い兆候w。魔女の森へ入る前にスペシャルドリンクで回復を図る。ハニースティンガーワッフルがすごくよかった。やっぱ噛みしめるの大事ね。ジェルだけは論外として、あんパンとバナナだけだと噛み足りない。顎を動かすことで唾液を出す的な。平地からサロマ湖に出て、魔女の森へ入っていく流れが素敵だった。スペドリ休憩結構取ったので、実質キロ7分ちょうどくらい。これは予定通りだけど余裕のないキロ7分。

65-70:35'25(7'05/km)

いざ魔女の森。ああ、魔女の森だなって感じです。歩きたくなるのもわかる。今回は気温が高くなかったからそれほどでもないけど、平地や海辺で照らされたあとの木陰はヤバい。私はしませんでしたが、知らない方同士で会話されている光景を何度も見かけました。なんかわかるなー。ここのキロ7分は余裕ありのキロ7分。このまま行けるかなって思ったけど、森を抜けるとがぜんツラくなった。斉藤商店のエイドでおしぼりをもらい、顔を拭いてシャキっとなる。ありがたいです。凍ったゼリーとあんぱん、お茶をいただいて息を吹き返す。…と思ったけどうまくは行かないねえ。

70-75:39'02(7'48/km)

75kmのおしるこエイドまで頑張ろうとキロ7分で粘る。ここは粘れた。肩と腕の潮吹きが目立ってきて、何度も塩分補給のアドバイスをもらった場所です。梅干は定期的に摂取していたけど塩熱サプリもとる。75kmまで頑張ろうってそれだけの思い出しかないなあ。カープの人と一緒に走らせてもらったのは覚えてるか。お目当てのおしるこエイドでは、おしるこ一杯とそうめん一杯をいただいてすぐに出発。もっと休んでおけばよかったのかなあ。エイドを楽しむ余裕はなかったです。それより1秒でも早くエイドを出て時間をロスしたくないってだけ。ウルトラマラソンなんて「なんにも」楽しくないモードが大勢を占めるw。

75-80:46'08(9'13/km)

ワッカまでの5kmがいちばんつらかった。今までの人生で5本の指に入る苦行。おしるこエイドを出てすぐ、突然身体が重くなって走れなくなった。かろうじて歩いてはいないね、という程度で贔屓目に見ても元気なゾンビ。具体的には、フトモモと尻が強ばってしまう。加えて左足甲に激痛。痛み止めは持ってこなかったので、あと残り20km以上を痛みの中を走るのかと思うと気が遠くなった。痛み止めを飲んで走る是非は、自分の中では非だったんだけど、持ってくればよかったなと今は思ってます。痛くても走るんだもん、それなら痛くない方がいい。目の前を走るランナーが、車で通りかかった家族の応援を受けていて。パパ諦めんなよ!と小学校三年生くらいの息子さんに励まされていた。家族がいるところでは走ってるけど、いなくなったら歩いちゃう。それを見て自分も歩いてしまいました。心が折れたというか、芯が抜けちゃった。歩いてもいいやって。完走するのが最大の目標だから、11時間切れないでも完走できるなら歩いてもいいやって。このまま走り続けて足の痛みが悪化し完走できないなら、歩き続けて完走できるならその方がいい。せっかく75kmも走っててこれだ。こういう想いにとらわれちゃうんですね。暑くなってきたのもあるのかな。頭がぼぅっとしてたのはある。自分の弱さ+足の痛み+肉体疲労にパパ諦めんなよのトリガー。悔しいけどこれが今回の限界。最初は止まるだけで歩きはしなかったけど、このまま歩いてもゴールは間に合うからって走って歩いての繰り返し。情けないけどしょうがない的な。

80-85:50'08(10'01/km)

80km地点でのスペシャルドリンクでハニースティンガー。やっぱうめえ。いやうまくはないけど噛み締められる幸せをほおばる感じ。OS1ゼリーを置いておいたのは大正解。歩きが入ると次の吸水まで時間がかかるので、持ち運びできるのはありがたい。ペットボトルのジュースや水でもいいけどキャップ付きのがあるといいのかも。まあ歩かなきゃいいだけなんですけどねw。この区間ではワッカから折り返してくる人とすれ違う。8時間台でゴールする速い方々はなんか神々しい…と思ったら羽つけてる人とかいてすげーなあと。本気でふざけるかっこよさ。自分はこの区間から本格的に歩きはじめる。ここで歩いてるときリーダーが颯爽と抜いてった。ちょうど大きな下りのところで抜いてったからその後の走る姿がバッチリ見えたんだけど、ガンガン抜いてってかっこよかった。事前にワッカまで足をためるぞって言ってたからねえ。やるな。自分は歩いたり走ったりを繰り返してキロ10分。おっせえ。ワッカで歩いたきっかけを思い出した。歩いてる人を抜いたんだけど、全然離れないの。走っても歩いてるのとほとんど変わらないんなら歩いた方がいいじゃんって。なにやってんだろね。

85-90:53'21(10'40/km)

ワッカの折り返しまでの区間。歩きながらワッカきれいだなと思ってゆっくり歩いちゃった。そしたら後ろから肩を叩かれ、歩いてもいいけどタイム気にするならもっとはや歩きしないとってアドバイスもらった。今にして思えばホントその通りなんだけど身体、いや心が止まってた。給水所での休憩も時間が長くなりがちで、楽しみにしていたスイカもあまり味を覚えていない。ただ歩いてちょっと走ってまた歩くの繰り返し。楽しいとか楽しくないとかそういうのはなくてひたすら苦。嫌だった。走れない自分と、ウルトラマラソンが。あーあ、というのがジャストな想い。師匠とすれ違って声をかけたら「は、ほえ〜」と変な声を出してたw。師匠があそこまでなるってウルトラすげえなと思った記憶がある。

90-95:38'37(7'43/km)

折り返しまで行ってチームメイトとも何人かすれ違う。でもあまりテンション上がらず。こっから最後まで歩かず走ってます。走るテンションが戻ったわけでも体力が湧いてきたわけでもなく、歩いてると時間がかかるので走ったってだけ。走るきっかけはそこ。そして走ってたら足の甲の痛みが消えてたから、歩く理由がなくなって走ったという。かなり疑いましたが痛みはない。歩けなくなったじゃん、チッって感じw。走ったところでキロ7分を切れませんが歩くよりはいい。早くこのつらい行事を終わりたい。走った方が早く終る。だから走る。このまま走り続ければ12時間は切れるだろうし、そしたら少しはカッコつくかなと。

95-100:47'13(8'10/km)

残り5kmを切るとさすがに感激が…というのはなかった。なかったです。なかなかこみ上げなかった。残り1kmになって、先程のパパランナーに遭遇。お子さんが待ってて一緒に走りだしてんの。ふたり。ムスコとムスメさん。それ見たら泣かずにはいられないでしょ。自分を重ねちゃう。パパ頑張った。頑張ったよ。きっと彼も私と同じような走力でちゃんと走り切ればサブ11とかっぽい感じ。もっと速いのかもしれない。きっと失敗レース。練習で迷惑かけて本番では心配させて。でもお子さんと手をつないで走る姿、少し照れながらうろちょろするムスメさんをたしなめるパパの姿に目頭がかっと熱くなる。嗚咽。一気にわっときた。元旦から走ったよねえ、朝から走ったよねえ、奥さんにも子どもにも迷惑かけてこのざまか、はいそうです。なんだチミは。75km走ったのにちょっと足痛くなって台無しにしたのか、はいそうです。でもしょうがないじゃん、足痛かったんだから。しょうがない。情けない。それが今の自分です。でもねえなんかさ、いいんです。ゴールするぜ。俺はゴールしていい。100km走った、いや歩いたけど完走だ。歩いたから完走じゃないって屁理屈は殴打。胸をはってゴールしました。これほど誇らしいゴールはない。歩いたし情けなかったけど誇らしい。うれしいってのとは違うな。誇らしいがジャスト。あんなにつらかったのにゴールしたらそういうのは吹き飛んでました。あのゴールラインの上になにがあったんだろう。2kgくらいのなにかがふっと宙に消えてった。

ゴール後

ゴールへくる人たちをビクトリーロードでずっと見てた。自分の走りをなんとなく振り返りながら、それと重ねながら。自分より後ろでゴールするってことは、きっと皆さんなにかしらの波乱が一度や二度あった方々ってことだと思う。みんなすごくいい顔でゴールしてくる。それを見てたら、また走りたいって思ってしまった。あんなにもうサロマなんて走るもんか(二度と…ではなく走るなら50歳の記念?)って思ってたのに。100km走り終わったばかりなのに。さっきまで情けない走りをしてた口でよく言えたもんだ。でもだからこそ真の強さを手に入れて、次はより満足できる走りをしたいと思ったんです。それがサブ11なのか歩かず完走なのか今はわからないけど。サロマの感動は、ゴール後から巻き戻しで味わいました。走ってる間はなんにも楽しくなかったのに、走り終わってからじわじわと楽しさがこみ上げてくる。サロマってそういうもんなのか。フルではゴール地点でMAXなんだけど。あとワッカ。ワッカの美しさったらない。走ってる(歩いてる)ときには思わなかったけど、脳裏に焼き付いてるのはあり得ないくらいに美しい景色と人。ワッカに人が連なるあの風景。脳内補正速すぎw。80km走ってワッカに挑みたい。あそこの小刻みなアップダウンを走りきりたい。苦しいんだろうけど、それを楽しめる自分であれたら。楽しくなくても走りきれる自分になりたい。走り切れなくても満足できる自分…って走りきれよw。でもいっか。あと思ったのは、割と自分どうでもいい。他のチームメイトが完走できたり出来なかったりすることが心のかなりを占めてた。チームに入ってよかったなって。あと応援してくれた方々とかへの感謝だとか。そういうのをひっくるめて、また来年、サロマに出れたらなと。サロマ、走ってよかったです。皆さんありがとうございました。特にヨメには感謝しています。栄養面でのフォロー、家庭的なところでの負担はかけまくりました。嫌な顔いっぱいしてたけど、結局はやりたいようにやらせてもらった。最後になりましたが。2012のサロマのスタート地点に立とうとした全ての人に幸あれ。ゴールした人、みんながウルトラランナーです。

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